相続・贈与

そもそも相続とは?

相続とは、遺族(相続人)が、亡くなられた方の財産上の権利と義務を承継することを指します。尚、財産は土地や預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金や税金などのマイナスの財産も含まれます。相続人が複数人いる場合は、その財産は法定相続分や遺言によって遺産分割されます。
まずは、相続の大きな流れを確認しましょう。

生前対策

残された配偶者や親族が、財産をめぐり争ったり、負の財産や重い相続税によって困ったりしないために、生前からの対策が肝心です。

生前贈与>>>

生前中に家族へ財産を贈与することで、相続税の軽減などを行うことができます。

エンディングノート(法的効力無し)>>>

残された家族が困らないよう、介護や葬儀の方法から財産・遺品整理、それぞれへの想いなど、詳細を書き残しましょう。

遺言(法的効力有り)>>>

パートナーと入籍していない、面倒を看てくれた長男に財産を多く残したい、など法的に定められた財産の分配方法以外で相続させたい場合に、特に必要となります。

納税資金の準備>>>

相続財産が不動産ばかりで相続税を支払いきれなかった・・・そんな事態にならないよう、生保や土地活用などで事前に納税資金を準備することが重要です。

被相続人の死亡と同時に相続が開始します。

遺言書の有無の確認

故人が遺言書を残していた場合、それに基づき遺産分割を行います。

相続人の確定

血族や配偶者など、故人の財産の権利や義務を引き継ぐ「相続人」を明確にし、戸籍等を収集する必要があります。

遺産の調査・債務の有無の確認

故人が残した預金や不動産、保険・有価証券などの遺産と、借金や未納金などの債務をすべて調査・確認する必要があります。

相続方法の決定

相続開始後3カ月以内に、所定の手続きにより相続を放棄するか(相続放棄)、承継するか(限定承認・単純承認)を決めなければなりません。
※相続放棄により故人の借金の肩代わりを回避することができます。

遺産分割協議・遺産分割>>>

例え相続税がかからない場合でも、相続人の間で合意を経た「遺産分割協議書」を作成しないと、不動産や預貯金などの名義変更ができません。また、もし合意が得られない場合、調停⇒審判⇒裁判へと泥沼化していくケースが多いため、事前の相続対策が非常に重要となるのです。

預貯金・不動産等の名義変更

不動産(土地・建物)の相続登記は司法書士へ、預貯金や証券などの名義変更は税理士へ依頼することが可能です。

相続税の申告>>>

相続開始後10ケ月以内に、相続税の申告書を提出及び納税する必要があります。もし申告期限までにできなかった場合には、本来の税金以外に加算税・延滞税がかかりますのでご注意ください。

生前贈与

生前贈与 テスト

贈与とは、お互いの合意のもとに無償で財産を移転することを指します。
贈与税とは、個人間で贈与があった際に、もらった人に課せられる税金です。1人あたり年間110万円の基礎控除が設けられています。
暦年課税による贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)。

生前贈与のメリット
  • 相続の争い防止(相続させたい方へ相続させることができます)
  • 贈与の方法によっては相続税対策にもなります。
  • 自分の相続させた内容がどのように利用されるか自分で確認できる

暦年課税制度の活用

相続税率より低い税率の生前贈与の活用。贈与により相続財産が減るので、結果的に相続税の軽減にも繋がる。

配偶者控除の活用

結婚20年以上の夫婦に適応される。基礎控除と合わせ2,110万円まで無税で贈与が可能。

相続時精算課税制度の活用

将来値上がりしそうな収益物件や財産を贈与し、相続税の軽減に繋げる。

おじいちゃんが孫のために、内緒で孫名義の預金を積み立てしていた場合
孫側に贈与してもらっているという認識がない限り、おじいちゃんの財産とみなされ、相続税が課税されてしまいます。いわゆる「名義預金」と呼ばれるケースです。
加えて、原則孫は相続人になれない為、公正証書遺言などが無い限り、せっかく孫のために積み立てた預金が、孫の手元には届かないという事態を招きます。

この他にも生前贈与を正しく行うには、様々なルールや手続きがあります。
せっかくの財産とあなたの想いを無駄にしないためにも、お気軽に当事務所までご相談下さい。

エンディングノート

エンディグノートとは、自分に万が一の事が起った時のため伝達すべき様々な事項をまとめてノート形式にまとめておくものです。法的効力はありませんが、遺言書作成の下準備としても役立ちます。

  • 相続には関与しない孫などへも想いを伝言できる
  • なかなか触れにくいけれども大事な問題についても、気軽に書きとめられる
  • 財産や遺品整理の際に、残された家族が困らなくてすむ
  • 遺産分割の際に、同居人が遺言書を無理やり書かせたのではないか、などの不信感を払しょくできる

・自分の基本情報  ・家族・友人・知人・親戚の連絡先  ・介護方法  ・相続、遺言
・資産(銀行口座、保険など)  ・医療(健康管理、延命処置など)  ・葬儀の参列者リスト、お墓の形式

死は突然やってきます。ご自身の意思を生きている間に書留め、残された人のトラブルを未然に防ぐためにも、まずは手軽なエンディングノートから始めてみてはいかがでしょうか?

遺言

遺言とは、遺言者が、自分が亡くなった後、自分の財産や身分について行なう意思表示です。
遺言者の死亡とともに効力が発生します。例えば、あなたのお世話をしてくれた長男には多く財産を上げたいなどの思いで遺言書を書こうと思っている方にご注意頂きたいのは、一定割合の財産を相続人に保証する「遺留分」に気をつけて遺言を作るという点です。遺言書は書けば良いというものではありません。
残された家族が揉めないためにも、一緒に完璧な遺言書を作成していきましょう。

  • 残された遺族間での「争続」のリスクを減らせる
  • 自分の意思や感謝の想いを、遺産分割や付言事項として残せる
  • 法廷相続分では適応されない場合でも、遺産を分配できる
  • 相続に伴う煩雑な手続きを軽減できる

遺言書は、法律に定められた方式で作成しなければ、法的効力がなくなってしまいます。

公正証書遺言

証人立会いのもと、遺言の内容を公証役場で公証人が筆記する方式

自筆証書遺言

遺言者本人が自筆、押印にて作成する方式

  • 不動産や未公開株など、分割しにくいものが財産の大半を占める。
  • 子供のいない夫婦である。
     
  • 子供たちの仲が悪い。
  • 子供たちの間の経済格差が著しい。
  • 親と同居している子供と、別居している子供がいる。
  • 相続人がまったくいない。
  • パートナーと入籍していない。
  • 再婚前にもうけた子供がいる。
  • 配偶者と死別し、その財産を相続した(二次相続への備えが必要なケース)。
  • 死後、第三者に財産を譲りたい(孫や息子の妻など含む)。
     
  • 事業を経営していたり、賃貸物件を保有している。
  • 葬儀・納骨・墓地等について希望がある。

遺言書が普及していない原因としては、本人自身が「死」ということを考えたくない、また、相続人である配偶者や子供は、なおさら遺言の事など言い出せないといったことがあると思います。お勧めするのは、健康な今!遺言書を書いてみることです。
遺言書は何度でも作り直すことができ、日付が一番新しいもののみが有効です。
今の時点でベストの内容の遺言書を作っておくのがよいでしょう。「そのとき」は突然やってくるのです。
今まで仲のよかった親兄弟が、相続争いのためにいがみあってしまう・・・そんなことのないように、残された人たちのことを考え遺言書を残してあげること、それこそが残された家族に対する最後にして最大の贈り物とも言えるのではないでしょうか。

納税資金の準備

相続税の納付は基本的に、現金納付⇒現金がなければ納税期間を延長させる延納(最長20年)⇒それでも収入が足りなければ不動産や株式など換金できるものによる物納、の順で行わなければなりません。
遺族が相続をしたものの、遺産がほとんど不動産で換金できず、相続税を支払いきれなかった・・・などといったトラブルに巻き込まれないよう、生前から換金性の高い財産を準備してあげることが重要です。

  • 生命保険を活用し、納税資金を補填する
  • 土地活用により不動産の評価額を減らすと同時に、賃貸収入を得る
  • 不動産を売却し、現金化する(資産の組み換え)
  • 生前贈与などにより、計画的に納税資金を確保する

上記の中でも「生命保険」の活用が最も効果的です。特に、終身保険は被保険者の死亡時に現金が支払われますので、相続税の納税資金に最適といえます。ただし、相続税額に見合う保障額に加入すると、支払い保険料が高額になってしまう場合がありますので、しっかりとした計画性を持って取り組むことが重要です。

事業承継

経営者の高齢化・引退といった問題に直面する企業が年々増加しています。
事業を続ける中で、いつかは必ず訪れる問題が事業承継です。特に、自分の兄弟に会社を継がせたい、親族以外に継がせたい、経営権は譲るが株式は残しておきたいなどのお考えをお持ちの方は注意が必要です。

経営ノウハウ・理念の承継

ノウハウ(業務知識・経験・人脈など)を習得させ、理念(経営に対する想い・価値観・信条など)を承継させることで、内外の関係者の理解も得られやすくなります。

事業とかかわる個人資産の承継

後継者が安定的に経営をしていくために、経営資産を後継者に集中させる必要があります。資産の集中的な承継方法としては、生前贈与や遺言、相続放棄や遺産分割協議による収束などが考えられます。

会社株式の承継

現経営者が株式を保有するオーナー(株主)でもある場合、株式を「誰に」「どの位の割合で」「株価をいくらに換価して」承継するかが最も難しい問題となります。

相続をめぐり争いが起こる、後継者が経営ノウハウを身につけきれていない、取引先や従業員の信頼を得られない・・・などのトラブルを未然に防ぐためにも、後継者の決定・育成・段階的な経営権の移行などは、計画的に中長期的に取組むことが必要です。

遺産分割

相続で一番争いの種となるのは、故人の遺産をどのように分けるかということです。相続人になれるのは、配偶者に加え、子・両親・兄弟などの血族のみと定められていますが、その遺産の分割方法については下記の流れにより決定します。

 

遺言による分割

故人が遺言によって分割の方法を決めている場合、遺言書の内容にそって分割します。

遺産分割協議による分割

遺言がない場合、遺言の形式が正しくない場合、遺言に記載されていない財産がある場合などは、相続人全員の話し合いにより分割方法を決めます。

調停・審判による分割

上記の協議では合意に至らなかった場合、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。さらに調停でも成立しない場合、審判に移行します。

遺産分割の際には、故人が亡くなるまでに長年に渡って各相続人の間で積りに積もってきたお互いへの想いが表面化し、なかなか合意に至らないケースがしばしば見受けられます。当事務所では、これまでに培ってきたノウハウをもとに、遺産分割をできる限り円満に進められるようサポートいたします。

相続税の申告

相続税は財産額が大きいほど税負担も重くなります。また、相続税の申告と納税は、相続の開始があったことを知った日(通常は、亡くなった日)の翌日から10カ月以内に、亡くなった方の死亡時における住所地を管轄する税務署に対して行わなければなりません。もし申告の期限までに申告しなかった場合には、本来の税金以外に加算税・延滞税がかかるので注意が必要です。

 基礎控除額以下の場合、課税されません

基礎控除額= (3,000万円+600万円×法定相続人の数)
例:夫の相続で法定相続人が妻と子2人の場合、基礎控除額 3,000万円+600万円×3人=800万円

相続税率は財産額が大きいほど税負担も重くなります(超過推進税率)

相続税の速算表 納付税額=A×B−C
法定相続分に応じた取得金額(A) 税率(B)控除額(C)
1,000万円以下10%
1,000万円超3,000万円以下15%50万円
3,000万円超5,000万円以下20%200万円
5,000万円超1億円以下30%700万円
1億円超2億円以下40%1,700万円
2億円超3億円以下45%2,700万円
3億円超6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

配偶者、小規模宅地、保険金等の特例があります

  • 配偶者の税額軽減の特例
    配偶者は、法定相続分相当額または1億6,000万円のいれずかの多い金額まで相続税がかかりません。
  • 小規模宅地等の特例
    相続や遺贈によって居住用宅地、事業用宅地を取得した場合、その宅地の一定の面積まで、通常の評価額から80%または50%減額される特例です。
  • 保険金の特例
    死亡保険金には、残された家族の生活保障面が考慮され、税制上一定の非課税枠が設けられています。
    死亡保険金の非課税枠=500万円×法定相続人の数

    ※平成29年11月現在施行中の税制によるものです。将来変更の可能性があります。

相続税の申告には、故人が残した全ての財産を金額で算出する必要があります。財産の中には評価の難しい「土地」から評価の簡単な「預貯金」まであり、その評価方法や総合的な生前対策及び遺産分割方法などの違いにより、実際の相続税負担額も変動してくるのです。

当事務所は、50年以上の実績とノウハウで、ご相談者に最適な対策をアドバイス致します。